生存記録
僕にあったことを忘れないための目印……
GoT 黒色少年 1
- 2011/10/07 (Fri) |
- 文 |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
高校演劇で「天使」「死神」「神様」とか出てくるものの一つでした。
厨2病みたいに、そういうのを出したくなったり魅かれるものがあるのかもしれません。
でも実際に演劇で「神々しい天使」を表現しようとすると、高校演劇レベルでは難しいことと思います。
まずそういう「人ならざる者」を演じること自体が難しいでしょうしね。
衣装も、漫画とかの演劇部ってなんでもあるように書かれてますが、リアルはそんなことないですからね!!!
さて、私が何を言いたいかというと、そういうのに魅かれてしまっている人間なのかもしれない、ということ。
詩の本能(誤字は仕様)があるというより、そういう「人ならざる者」てカッコイイくらいのノリです。
ええ、中二ですね←
エイプリルフール企画で出したのも死神ネタだったと思います、ワンパターンでなけましたorz
-----------
少しの雲を残し、水色寄りの空が広がる。
足元に眼をやれば短い草が好きなように伸びている。
そして遠くへ視線をうつせば、鮮やかな緑と点々と白や桃色の花の色がちりばめられている。
ここは少年のお気に入りの場所。
風がやや強く吹くが、広がる自然がいつも少年を癒してくれる。
ここは少年のお気に入りの、丘の上。
あと数歩先へいけば、急斜面、むしろ崖に近いところのてっぺんがある。
いつもは風で押されると危険なので、これ以上先にすすむことはない。
そう、いつもは。
***********
「それ以上はやめておけ」
足を二歩進めたとき、後ろからしらない声がした。
少年にあわてるそぶりはなく、ゆっくりと振り返ると、黒い塊が見えた。
「死ぬぞ」
黒い塊 ―――黒いローブで体をすっぽり覆った男が、少年を見据えていた。
その瞳は鮮血のように赤く、わずかに見える髪の毛や肌はローブとは正反対の白。
少年の知る他の人にはいない異質感、しかしどこか既視感も覚えたがすぐに思い出すことはやめた。
大して意味のないことだから。
「そのつもりだから」
だから、いい。
目をそらすことなく、少年は男に告げる。
男もそらさない。止めようという意思は強くは感じられない。
しばらく無言で見つめあう。
男は止めるつもりはないようだ。ならばなぜまだそこにいる?飛び降りる時を見届けようというのか。だとしたら悪趣味にもほどがある。
少年が目線を外そうとしたとき、男がおもむろにしゃべった。
「お前はオレと反対だな」
そうですね。
口には出さなかったが、心の中で賛同した。
少年と男は見た目が反対だった。
少年は肌が黒く、瞳も黒色で白眼の部分は少ない。よれている服はもとは白かったのだろうが黄ばんでいる。
まるで影のよう。
あんたも大変そうだな。
仲間意識とまではいかなくても、少年は男に同情した。
二人は町に行けば確実に浮く。
町の人はどんなに日焼けをしても少年のように黒くはならないし、屋内にひきこもっていようが男のように白くはならない。厚い化粧を重ねればまだしも、進んでそれを行う人物などいないだろう。
「反対だな」
もう一度、つぶやくように言ってから、さらに男は付け足す。
「お前は死にたがっているが、オレは生きていたい」
「なら、あんたは生きればいい」
自分の考えていたことと違ったことに一瞬躊躇したが、それだけだ。
少年は身体を反転して会話をきろうとした。だが、
「そうはいかない」
「お前の人生はお前の物だ。好きに生きればいい。だが、お前の命をつくったのはお前じゃない。その命をお前が消してはいけない。」
少しの雲を残し、水色寄りの空が広がる。
足元に眼をやれば短い草が好きなように伸びている。
そして遠くへ視線をうつせば、鮮やかな緑と点々と白や桃色の花の色がちりばめられている。
ここは少年のお気に入りの場所。
風がやや強く吹くが、広がる自然がいつも少年を癒してくれる。
ここは少年のお気に入りの、丘の上。
あと数歩先へいけば、急斜面、むしろ崖に近いところのてっぺんがある。
いつもは風で押されると危険なので、これ以上先にすすむことはない。
そう、いつもは。
***********
「それ以上はやめておけ」
足を二歩進めたとき、後ろからしらない声がした。
少年にあわてるそぶりはなく、ゆっくりと振り返ると、黒い塊が見えた。
「死ぬぞ」
黒い塊 ―――黒いローブで体をすっぽり覆った男が、少年を見据えていた。
その瞳は鮮血のように赤く、わずかに見える髪の毛や肌はローブとは正反対の白。
少年の知る他の人にはいない異質感、しかしどこか既視感も覚えたがすぐに思い出すことはやめた。
大して意味のないことだから。
「そのつもりだから」
だから、いい。
目をそらすことなく、少年は男に告げる。
男もそらさない。止めようという意思は強くは感じられない。
しばらく無言で見つめあう。
男は止めるつもりはないようだ。ならばなぜまだそこにいる?飛び降りる時を見届けようというのか。だとしたら悪趣味にもほどがある。
少年が目線を外そうとしたとき、男がおもむろにしゃべった。
「お前はオレと反対だな」
そうですね。
口には出さなかったが、心の中で賛同した。
少年と男は見た目が反対だった。
少年は肌が黒く、瞳も黒色で白眼の部分は少ない。よれている服はもとは白かったのだろうが黄ばんでいる。
まるで影のよう。
あんたも大変そうだな。
仲間意識とまではいかなくても、少年は男に同情した。
二人は町に行けば確実に浮く。
町の人はどんなに日焼けをしても少年のように黒くはならないし、屋内にひきこもっていようが男のように白くはならない。厚い化粧を重ねればまだしも、進んでそれを行う人物などいないだろう。
「反対だな」
もう一度、つぶやくように言ってから、さらに男は付け足す。
「お前は死にたがっているが、オレは生きていたい」
「なら、あんたは生きればいい」
自分の考えていたことと違ったことに一瞬躊躇したが、それだけだ。
少年は身体を反転して会話をきろうとした。だが、
「そうはいかない」
「お前の人生はお前の物だ。好きに生きればいい。だが、お前の命をつくったのはお前じゃない。その命をお前が消してはいけない。」
PR
COMMENT